The 35th northern Japan interventional radiology
IVR 35 サブイメージ2022年
IVR 35 SPサブイメージ2022年

ご挨拶

当番世話人 櫻井 康雄

第35回北日本インターベンショナルラジオロジー研究会
当番世話人 櫻井 康雄

(医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院
 放射線診断科)

このたび第35回北日本IVR研究会を2022年10月1日(土)に札幌の教育文化会館で開催させて頂くこととなりました。例年本研究会は9月の上旬に行われており、当初は9月3日に開催を予定していましたが、日本医学放射線学会秋季臨床大会とぶつかってしまったため10月にずれこんでしまいました。例年と異なる日程によりご迷惑をおかけした方々には、この場をかりてお詫び申し上げます。
2020年の第33回は中止、2021年の第34回はWeb開催となり、今回は2019年第32回の新潟開催以来3年ぶりの現地開催となります。会が開催される頃に新型コロナウイルスの感染状況がどうなっているか第六波の収束の目処がたっていない現時点での予想は難しく、現地開催ができるという保証は全くありませんが、「いつまでも自粛なんてしていられるか。創意と工夫で新型コロナウイルスに打ち勝つ」という強い気持ちがあればなんとかなるはずという根拠のない確信の元に現地開催を前提に準備を進めております。
自分が本格的にIVRを始めたのは1990年と今から約30年ほど前ですが、その頃はHCCに対するTACEが花盛り、リザーバー(今はポートですね)とメタリックステントが導入されて間もない頃で、まさにIVRの高度成長期と言ってもいいような活気に満ちあふれていた時代でした。各種研究会、学会での熱のこもった、討論と言うよりもバトルと言った方がいいような殺気だった雰囲気は強烈に印象に残っています。今回のテーマは「IVRのこれからを考える」としました。このような面白みのないテーマにすることに多少抵抗はありましたが、やはり自分がIVRを始めた1990年代の頃と比較すると、わくわくするような目新しい手技が少なく、仕事も先細っている印象をぬぐえません。当初は放射線科が主導していたメタリックステントは他科が扱うことが多くなり、IVR発展の立役者であるHCCに対するTACEは、HCCの減少と分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場により出番が肌感覚で減ってきています。今、IVR業界はそこそこきつめの曲がり角にさしかかっているのではないでしょうか。
新型コロナウイルスは新しい治療に対抗するようにどんどん変異し、世界中に拡散しています。ここだけはウイルスを見習って、われわれもどんどん変化し進化して、新しい領域に進出し、さらに他科の医師や一般の方への認知度を拡げて、新しい波を創っていく必要があるのではないでしょうか。
この会が少しでも明日のIVRの発展のきっかけになればと願いを込めて、「IVRist,be ambitious!」。札幌でお会いでき、face to faceで活発な討論ができ、すすきので美味しいお酒を飲めることを楽しみにしております。