The 71st Annual Meeting of the Japanese Society of Child Health

会頭挨拶

第71回日本小児保健協会学術集会
会頭 真部 淳
(北海道大学大学院医学研究院小児科学教室教授)
会頭 真部淳

皆様、こんにちは。第71回日本小児保健協会学術集会を担当する真部淳(まなべあつし)と申します。よろしくお願いします。
当学会は長い歴史を有します。第1回学術集会は1954年11月に東京において、斎藤文雄先生を会頭として開催されました。斎藤先生は当時、聖路加国際病院に勤務されていました。同院は1902年の開院当時から保健事業に力を入れており、1925年には東京市(当時)と協力して築地産院を作り、1935年には内務省、東京市とともに保健館事業を開始、これが1937年にわが国初の都市型保健所となりました(現在の中央保健所)。斎藤先生は1947年に「母の育児書(主婦の友社)という本を上梓され、6回も版を重ねました。私は1985年に北大医学部を卒業後、同院で臨床研修を受け、その後も30年あまり勤務しておりました。直接、斎藤先生の薫陶を受ける機会はありませんでしたが、聖路加国際病院には小児保健を重視する姿勢が脈々と受け継がれているのを感じたものです。今回、この長い歴史を持つ学術集会を担当できることを心から喜んでおります。
本学会の特徴は、広大な領域をカバーしていることです。ざっと挙げても、生活環境、衛生、生活習慣、子育て支援、周産期医療体制、神経発達、成人への移行、感染症と予防接種、福祉、慢性疾患の管理、看護とケア、栄養、事故・救急・災害対策、海外協力など、まさに枚挙にいとまがありません。 本学会が北海道で開かれるのは2008年の札幌大会(札幌医大の堤裕幸先生が会頭でした)以来で、16年ぶりです。久しぶりに北海道を訪れる皆様に学会を楽しんでいただこうと考えておりますが、このような大きな学会は北大の私の教室だけでは行えません。そこで札幌医大、旭川医大、コドモックルをはじめとする道内のたくさんの病院・施設の医師と看護師、そして保健所をはじめとする行政の人たちと現地組織委員会を立ち上げました。共通テーマとして「小児を中心とした社会の実現」を掲げます。といっても、これは小児保健に携わるさまざまな人たちが普段から取り組んでいることを言ったに過ぎません。
本学会はアカデミックなことばかりでなく、お楽しみ企画も満載で臨む所存です。参加される皆様は普段は忙しく、また厳しい毎日を送られていると思います。この学会に参加し、志を同じくするたくさんの人たちと交流することにより、「私たちは、本当に良い仕事をしているのだ」という確信、Confidenceを持って帰っていただけるように頑張る所存です。よろしくお願いいたします。